カラヴァッジョ（本名：ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ）は、16世紀末から17世紀初頭にかけて活躍したイタリアの画家です。
その劇的な生涯と革新的な画風は、バロック美術の幕開けを告げ、後世の画家たちに多大な影響を与えました。
特徴
光と闇の劇的な対比（キアロスクーロ）: カラヴァッジョの作品の最大の特徴は、光と闇の劇的な対比を用いることで、
絵画に強い立体感とドラマチックな効果を与えたことです。
写実主義: 理想化された美ではなく、現実の人物や情景をありのままに描く写実主義を徹底しました。
挑発的なテーマ: 宗教画においても、聖人を庶民的な姿で描いたり、残酷な場面をリアルに描写したりと、
当時の常識を覆すような挑発的なテーマを扱いました。
生い立ち
1571年、イタリア・ミラノ近郊のカラヴァッジオ村で生まれました。
幼少期にペストで両親を亡くし、苦しい生活を送りました。
13歳でミラノの画家シモーネ・ペテルツァーノの工房に入り、絵画の基礎を学びました。
生涯と背景
20代でローマに移り住み、才能を開花させました。
教会からの依頼で数々の宗教画を制作し、一躍人気画家となりました。
しかし、短気で粗暴な性格から、度々トラブルを起こしました。
1606年には殺人事件を起こし、ローマから逃亡生活を送ることになりました。
ナポリ、マルタ、シチリアなどを転々としながら制作を続けましたが、1610年、逃亡中に熱病で亡くなりました。
技法と革新
自然主義: カラヴァッジョは、当時の主流であった理想化されたマニエリスム様式ではなく、自然主義に傾倒しました。
明暗法（キアロスクーロ）: 光と闇のコントラストを強調することで、劇的な効果を生み出しました。
モデルの直接描写: モデルを直接観察し、その姿をありのままに描きました。
代表作
「聖マタイの召命」: 光の描写が印象的な、初期の代表作。
「聖ペテロの磔刑」: 劇的な構図と人物描写が特徴的な作品。
「ダビデとゴリアテ」: 若きダビデがゴリアテの首を持つ姿を描いた、迫力のある作品。
「マドンナの死」: 聖母マリアの死を、悲劇的な場面として描いた作品。
影響と評価
カラヴァッジョの革新的な画風は、バロック美術の発展に大きく貢献しました。
レンブラント、ルーベンス、ベラスケスなど、後世の多くの画家たちに影響を与えました。
その劇的な生涯と作品は、現代においても多くの人々を魅了し続けています。
カラヴァッジョの作品は、彼の激しい感情と、人間に対する深い洞察力が込められています。
ぜひ彼の作品を鑑賞し、その魅力に触れてみてください。
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