119位 ロートレック「ムーラン・ルージュのラ・グリュ」
ロートレック『ムーラン・ルージュのラ・グリュ』
「ムーラン・ルージュ」のポスターにしてロートレックのポスターの始まり
- 絵画の題名 ムーラン・ルージュのラ・グリュ
- 絵画の作者 アンリ・ド・トゥールーズ＝ロートレック（フランス）
- 美術様式 ポスト印象主義
- 絵画の制作年 1891年
- 絵画の画材 リトグラフ、紙
- 絵画の寸法 195cm × 122cm
- 絵画の所蔵 トゥールーズ＝トートレック美術館（フランス、アルビ）
ロートレックはポスターを多く描いたが、本作は第1作目のポスターにしてロートレックのポスターの代表作。
ポスターなので多数刷られたが、主に使用されなかったものが美術館に所蔵されている。
「ムーラン・ルージュ」はパリのキャバレーで、中央の女性はスターダンサーの通称「ラ・グリュ」ことルイーズ・ウェーバー。
男性は「骨なし」ヴァランタン。
細かい色を表現できない当時のポスター技術を逆手にとり、日本の浮世絵を研究したロートレックの手腕が発揮されている。
当時27歳で若手だったロートレックは、この作品により一躍売れっ子画家となることになった。
参考ページ「常識として知っておきたい世界の名画ランキング の記事一覧 知欲」
ロートレックの「ムーランルージュのラグリュ」ですね。
視覚障がいをお持ちの方にも分かりやすいよう、作品について詳しく解説します。
作品の概要
この作品は、19世紀末のパリ、モンマルトルにあった有名なキャバレー「ムーランルージュ」で活躍した人気ダンサー、「ラグリュ」を描いたリトグラフ（石版画）です。ロートレックは、彼女の踊りの躍動感や、当時のパリの華やかで退廃的な雰囲気を捉えようとしました。
作品の詳細
構図:画面中央に、踊っているラグリュの姿が大きく描かれています。彼女の足は大きく開き、スカートが大きく広がっています。
背景には、観客と思われる人々の姿がシルエットで描かれています。
彼女の踊りは、ダイナミックで、動きのある様子が伝わってきます。
表情・ヘアスタイル・視線:ラグリュの表情は、踊りに集中しているためか、真剣そのものです。
彼女の髪は、当時の流行のヘアスタイルで、アップにされています。
視線は、観客に向けられているようでもあり、一点を見つめているようでもあります。
色彩:
ラグリュの衣装は、明るい色調で、彼女の動きを際立たせています。背景は、暗い色調で、彼女の姿を際立たせる効果があります。
彼女の肌の色は、青白い色で、赤い唇とのコントラストが際立っています。
時代背景と作者の意図
19世紀末のパリは、産業革命による都市化が進み、同時に貧富の差が拡大した時代でした。ムーランルージュは、そうした時代の象徴であり、華やかさと退廃が入り混じった場所でした。
ロートレックは、そこに集う人々、特にダンサーや娼婦たちに魅力を感じ、数多くの作品を描きました。
彼は、彼女たちの姿を通して、人間の欲望や孤独、そして時代の空気感を表現しようとしたと考えられています。
作品の評価
ロートレックは、当時のパリの文化を独自の視点で捉え、大胆な構図と色彩で表現しました。彼の作品は、当時の美術界に大きな影響を与え、今日でも高く評価されています。
特にこの「ムーランルージュのラグリュ」は、彼の代表作の一つとして知られています。
この解説が、作品への理解を深める一助となれば幸いです。
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