117位 ティツィアーノ「聖なる愛と俗なる愛」
ティツィアーノ『聖なる愛と俗なる愛』
俗世の愛と神へ聖なる愛を混ぜ合わせる
- 絵画の題名 聖なる愛と俗なる愛
- 絵画の作者 ティツィアーノ・ヴェチェッリオ(イタリア)
- 美術様式 盛期ルネサンス
- 絵画の制作年 1515年頃
- 絵画の画材 油彩、カンヴァス
- 絵画の寸法 118cm × 279cm
- 絵画の所蔵 ボルゲーゼ美術館(イタリア、ローマ)
ローマ石棺のような泉に座るふたりの女性とキューピッド。
左の着衣の女性の服装は花嫁衣装であるとみられている。
反対に右の女性は裸体で腰に白い布と肩に赤いマントのみをまとう。
どちらの女性も愛と美の女神ヴィーナスであるとみられていて、
裸のヴィーナスは天上の聖なる愛を、着衣のヴィーナスは俗世の現実の愛をあらわしている。
中央のキューピッドは泉の水をかき混ぜていて、聖と俗を混ぜ合わせていると考えられる。
作者ティツィアーノの代表作『ウルビーノのヴィーナス』に代表されるように、
神話をテーマにしながら現実の女性美を描き出すのはティツィアーノの特徴で本作にも遺憾なく発揮されている。
参考ページ「常識として知っておきたい世界の名画ランキング の記事一覧 知欲」
ティツィアーノヴェチェッリオの「聖なる愛と俗なる愛」ですね。
この絵画は、多くの謎と魅力に満ちた作品です。
視覚障がいをお持ちの方にも、その美しさと物語を感じていただけるよう、詳しく解説します。
作品の概要
タイトル: 聖なる愛と俗なる愛(伊: Amor sacro e Amor profano)作者: ティツィアーノヴェチェッリオ
制作年: 1514年頃
所蔵: ボルゲーゼ美術館(ローマ)
技法: 油彩
絵画の詳細な説明
構図:絵画の中央には、石造りの水槽があり、その両側に2人の女性が座っています。中央には、水槽の水をかき混ぜているキューピッドが描かれています。
背景には、牧歌的な風景が広がっています。
人物描写:右側の女性は裸体で、ゆったりとした白い布をまとっています。
彼女は、穏やかで落ち着いた表情をしています。
左側の女性は、豪華な白いドレスを着ています。
彼女は、装飾品を身に着け、優雅な雰囲気を漂わせています。
キューピッドは、幼い子供の姿で、水槽の水をかき混ぜています。
二人の女性の視線は、見るものに語りかけるような、何かを問いかけているような印象を与えます。
色彩:
裸体の女性がまとう白い布は、光沢があり、肌の温かさを際立たせています。左側の女性のドレスは、純白で、細やかな装飾が施されています。
背景の風景は、緑豊かな草木と青い空が、鮮やかな色彩で描かれています。
特に、裸体の女性がはおっているマントの深紅の色合いと、左の女性が着ている豪華な白いドレスの真紅の袖が非常に美しいです。
時代背景と作者の意図
この作品は、ヴェネツィアの貴族ニッコロアウレリオと若い未亡人ラウラバガロットの結婚を祝うために制作されたと考えられています。2人の女性は、「聖なる愛」と「俗なる愛」を象徴していると解釈されています。
ティツィアーノは、ヴェネツィア派の巨匠であり、その色彩感覚と人物描写は、後世の画家たちに大きな影響を与えました。
この作品は、新プラトン主義の愛の概念を視覚的に表現したものと考えられています。
作品の評価
「聖なる愛と俗なる愛」は、ティツィアーノの代表作の一つであり、ルネサンス美術の傑作として高く評価されています。その謎めいた寓意と美しい色彩は、多くの人々を魅了し、さまざまな解釈を生み出してきました。
この絵画は、愛の二面性を深く掘り下げ、視覚的に表現した作品として、美術史において重要な位置を占めています。
この作品は、視覚だけでなく、想像力や感情を通じて、鑑賞する人の心に深く響く作品です。
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