111位 ピカソ「海辺を走る二人の女」
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- 絵画の題名 海辺を走る二人の女
- 絵画の作者 パブロ・ピカソ（スペイン）
- 美術様式 ピカソの新古典主義
- 絵画の制作年 1922年
- 絵画の画材 油彩、カンヴァス
- 絵画の寸法 32.5cm × 41.1cm
- 絵画の所蔵 ピカソ美術館（フランス、パリ）
ピカソがキュビスムから脱却し幸せを謳歌した時代の代表作
ピカソがルネサンス期などの巨匠の作品に強く影響を受けた「新古典主義の時代」の代表作。
結婚し息子が生まれたピカソがブルターニュ地方のリゾート地ディナールへ休暇で訪れた幸せな夏に描かれた作品。
参考ページ「常識として知っておきたい世界の名画ランキング の記事一覧 知欲」
パブロピカソの「海辺を走る二人の女」ですね。
視覚障碍者の方にもイメージが伝わるよう、できる限り詳しく解説します。
作品の概要
この作品は、1922年に制作された油絵です。地中海の海岸で、二人の女性が楽しそうに走る様子を描いています。
新古典主義とキュビズムという、ピカソの二つの異なる様式が融合した作品として知られています。
構図と描写
画面全体に、二人の女性が大きく描かれています。二人の女性は、腕を大きく広げ、足を大きく開いて、躍動感あふれるポーズで走っています。
二人の身体は、古代ギリシャの彫刻を思わせる、豊かで堂々とした量感で表現されています。
顔の描写は簡略化されており、目や鼻はほとんど描かれていません。
しかし、その力強い輪郭線から、二人の女性のエネルギーが伝わってきます。
背景には、海と空が抽象的に描かれています。
特に、左側の女性の一番手前にあるはずの腕がもっとも短く細く描かれていたり、
右側の女性の目、鼻が消し去られていたりするところに、従来の遠近法や写実主義から解放された自由な表現が見られます。
色彩
全体的に、温かみのある色彩が用いられています。肌の色は、オレンジやベージュなど、豊かな色彩で表現されています。
背景の海と空は、青や白を基調とした、明るい色彩で描かれています。
時代背景と作者の意図
この作品は、ピカソが新古典主義の様式に回帰した時期に制作されました。第一次世界大戦後、ピカソは古典的な美に惹かれ、古代彫刻のような量感のある人物表現を試みました。
妻オルガとの間に息子パウロが生まれた翌年、
家族そろってブルターニュ地方の海辺ディナールで休日を過ごした夏に描かれた作品です。
ピカソは、この作品で、古典的な美と、彼独自のキュビズムの視点を融合させ、新しい人物表現を生み出しました。
ピカソにとって女性を描くことは生涯の大きなテーマであり、この作品でも、
女性の肉体美と、そこから放たれるエネルギーを力強く表現しています。
作品の評価
「海辺を走る二人の女」は、ピカソの新古典主義時代の代表作として高く評価されています。その力強く、躍動感あふれる人物表現は、多くの人々を魅了してきました。
この作品は、20世紀初頭の芸術運動に影響を与え、価値が非常に高い作品として知られています。
バレエ「青列車」の緞帳のデザインにもなりました。
補足
この作品は、ピカソの多様な才能と、常に新しい表現を追求する姿勢を示すものです。古代の彫像のような量感ある人物表現のため「新古典主義の時代」の作品に分類されます。
しかし、従来の遠近法や写実主義から解放された自由な表現が見られ、ピカソの独創性が際立っています。
この解説で、視覚障碍者の方にも「海辺を走る二人の女」の魅力が伝われば幸いです。
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