110位 ブーグロ「アムールとプシュケー、子供たち」
ブーグロ『アムールとプシュケー、子供たち』
再評価された画家の耽美な作品
- 絵画の題名 アムールとプシュケー、子供たち
- 絵画の作者 ウィリアム・アドルフ・ブーグロー（フランス）
- 美術様式 新古典主義
- 絵画の制作年 1890年
- 絵画の画材 油彩、カンヴァス
- 絵画の寸法 119.5cm × 71cm
- 絵画の所蔵 個人蔵
左がアムール（クピド、キューピッド）、右が人間の王女プシュケー。
神であるアムールと人間であるプシュケーの禁断の恋が描かれている。
1873年作の「ファースト・キス」とまったく同じ構図の絵画とよく混同される。
印象派の画家と正反対の立場にいたブーグローは、
時代にの流れに取り残され忘れ去られていったが、
20世紀末になってから再評価され、フランスを代表する画家のひとりであったとみなされるようになった。
参考ページ「常識として知っておきたい世界の名画ランキング の記事一覧 知欲」
ウィリアムアドルフブグローの「アムールとプシュケー、子供たち」ですね。
視覚障がいをお持ちの方にもお楽しみいただけるよう、絵画を詳しく解説します。
作品の基本情報
作品名: アムールとプシュケー、子供たち（L'Amour et Psyché, enfants）作者: ウィリアムアドルフブグロー（William Adolphe Bouguereau）
制作年: 1890年
所蔵: 個人蔵
技法: 油彩
絵画の詳細
構図:絵の中央には、幼いアムール（キューピッド）とプシュケーが抱き合い、キスをしている姿が描かれています。二人は雲の上に立っており、背景には淡い色彩の雲が広がっています。
アムールはプシュケーを抱き寄せ、プシュケーはアムールに体を預けるようにしています。
二人の配置は安定感があり、見る人に安心感を与えます。
人物描写:アムールとプシュケーは、ほとんど幼児と言ってよいような幼い子供の姿で描かれています。
二人は白い肌は輝かしくバラ色を帯びており、純潔を象徴しています。
アムールは天使の羽を持ち、プシュケーは蝶の羽を持っています。
二人の表情は穏やかで、愛情に満ちています。
アムールのヘアースタイルは、カールしたブロンドの髪で、プシュケーのヘアースタイルは、ウェーブがかった髪です。
二人の視線は、互いに見つめ合っています。
色彩:
全体的に淡く、柔らかい色彩で描かれています。二人の肌は、白とバラ色で、純粋さを表現しています。
背景の雲は、淡い青、ピンク、黄色などで描かれ、幻想的な雰囲気を醸し出しています。
アムールの羽は、白く、プシュケーの羽は、青みがかった色です。
二人のまとう布は、白や淡いピンク色です。
時代背景:
19世紀後半、フランスの画家ウィリアムアドルフブグローによって制作されました。この時代は、ロマン主義から写実主義への移行期であり、ブグローは写実主義の代表的な画家の一人です。
ブグローは、神話や聖書を題材にした作品を多く残しています。
作者の意図:
ブグローは、アムールとプシュケーの純粋な愛と無垢な美しさを表現しようとしました。二人の子供のような姿は、愛の純粋さと無垢さを強調しています。
ブグローは、神話の登場人物たちを、当時の人々が共感しやすいように描きました。
作品の評価:
ブグローの作品は、当時のサロンで高い評価を受けました。「アムールとプシュケー、子供たち」も、その美しい構図と繊細な人物描写で、多くの人々を魅了しました。
現代においても、ブグローの作品は、その卓越した技術と美しい表現で、高く評価されています。
補足情報
アムールとプシュケーの物語は、ローマ神話に登場する愛の物語です。プシュケーは、美しすぎるために愛と美の女神ウェヌスの嫉妬をかい、様々な苦難を乗り越え、最後には神となります。
ブグローは、この神話を題材に、愛の純粋さと美しさを表現しました。
この解説が、視覚障がいをお持ちの方の作品鑑賞の一助となれば幸いです。
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