108位 ロセッティ「プロセルビナ」
ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ『プロセルビナ』
地上に焦がれる女神の表情が印象的
- 絵画の題名 プロセルビナ
- 絵画の作者 ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ（イングランド）
- 美術様式 ラファエロ前派
- 絵画の制作年 1874年
- 絵画の画材 油彩、カンヴァス
- 絵画の寸法 125.1cm × 61cm
- 絵画の所蔵 テート・ブリテン（イギリス、ロンドン）
プロセルピナはローマ神話の女神で、ギリシャ神話ではペルセポネーといい春の女神。
冥界の神プルートに一目惚れされたプロセルピナは、地下の冥府へと連れ去られる。
冥界の食べ物を食べると冥界の住人になってしまうという約定どおり、
知らずに冥界の食べ物であるザクロを食べてしまったプロセルピナは、一年のうち半分を冥界で、もう半分を地上で過ごすこととなる。
プロセルピナが地上に出ると花々が咲き乱れ、春が訪れるという。
この神話を題材にした本作では、冥界にいるプロセルピナはザクロの実を持ち、奥にある光は地上をあらわしている。
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ロセッティの「プロセルピナ」は、視覚障がいのある方にもその美しさを感じ取っていただけるよう、細部にわたって解説します。
作品の概要
この絵画は、ダンテゲイブリエルロセッティによって1874年に描かれた作品です。プロセルピナ（ギリシャ神話のペルセポネー）を題材とし、彼女の憂いと美しさを象徴的に表現しています。
構図と描写
絵の中央には、プロセルピナが描かれています。彼女は、画面の大部分を占め、見る人の視線を強く引きつけます。
彼女の顔は、やや左を向いており、物憂げな表情を浮かべています。
その視線は、鑑賞者からわずかに外れており、彼女の内に秘めた感情を物語っています。
彼女の髪は、豊かで波打っており、暗い色調で描かれています。
髪は肩にかかり、その流れが彼女の優雅さを際立たせています。
彼女は、ザクロを持っています。
これは、彼女が冥界の王ハデスの妻であることの象徴です。
背景は暗く、プロセルピナの姿を浮かび上がらせる効果があります。
色彩
プロセルピナの肌は、明るく滑らかな色調で描かれており、彼女の美しさを際立たせています。彼女の衣服は、深みのある色調で、豪華な雰囲気を醸し出しています。
ザクロの赤色が、暗い背景の中で、ひときわ目を引く色となっています。
時代背景と作者の意図
ロセッティは、ラファエル前派の創設メンバーの一人であり、彼の作品は、中世の芸術や文学からインスピレーションを得ています。この作品では、神話のプロセルピナを、単なる神話の登場人物としてではなく、内面的な感情を持つ女性として描いています。
作者は、プロセルピナの憂いを通して、愛と喪失、そして運命といった普遍的なテーマを探求しようとしました。
作品の評価
「プロセルピナ」は、ロセッティの代表作の一つとして高く評価されています。その美しく象徴的な描写は、多くの人々を魅了し続けています。
この作品は、ロセッティの独特な芸術スタイルと、彼が追求した美の世界を体現しています。
視覚障がいのある方への補足
この絵画は、プロセルピナの感情と美しさを、色彩と構図によって巧みに表現しています。
彼女の表情や姿勢、そしてザクロといった象徴的な要素を通して、物語を感じ取ることができます。
絵画の解説を聞きながら、プロセルピナの感情や物語を想像することで、より深く作品を鑑賞することができるでしょう。
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