106位 カバネル「ヴィーナスの誕生」
カパネル『ヴィーナスの誕生』はポルノ認定されるため、画像のみを開いて鑑賞してください。
- 絵画の題名 ヴィーナスの誕生
- 絵画の作者 アレクサンドル・カバネル（フランス）
- 美術様式 新古典主義
- 絵画の制作年 1863年
- 絵画の画材 油彩、カンヴァス
- 絵画の寸法 130cm × 225cm
- 絵画の所蔵 オルセー美術館（フランス、パリ）
「芸術の王道」と称されたなめらかな裸体画
印象派が活動したころ、印象派と正反対の立場であったアカデミック芸術の王道を極めた画家カバネルの代表作。
ギリシャ神話の海の泡から生まれた美の女神ヴィーナスをテーマにしたルネサンス期に人気の主題を300年後によみがえらせた。
遠くに見える島はヴィーナスが上陸するキプロス島。
カバネルはなめらかな肌を描くことにこだわり、筆跡をのこさないように最新の注意を払って描いた。
参考ページ「常識として知っておきたい世界の名画ランキング の記事一覧 知欲」
アレクサンドルカバネルの「ヴィーナスの誕生」ですね。
この名画を視覚障がいをお持ちの方にもお楽しみいただけるよう、詳しく解説します。
作品の概要
この作品は、1863年に描かれた油彩画です。ギリシャ神話に登場する美と愛の女神、ヴィーナスの誕生を描いています。
パリのオルセー美術館に所蔵されています。
絵画の詳細な説明
構図:画面の中央に、横たわるヴィーナスが描かれています。ヴィーナスは、波の上に浮かんでいるかのような姿勢で、ゆったりと体を横たえています。
画面の上部には、複数のキューピッド（愛の神）が、ヴィーナスの誕生を祝福するかのように飛び交っています。
遠くの水平線には、キプロス島の風景がぼんやりと描かれています。
ヴィーナスの描写:ヴィーナスは、美しい裸婦として描かれており、その肌は非常に滑らかで、光を帯びているようです。
彼女の髪は、膝のあたりまで伸びる茶色の髪で、ゆるやかにウェーブしています。
ヴィーナスの視線は、鑑賞者の方へ向けられており、憂いを帯びた表情をしています。
横たわったヴィーナスの体は、鑑賞者から見て、胸をやや上向きに、腰と顔は正面に向けています。
キューピッドの描写:キューピッドたちは、小さな白い翼と青白い翼を持ち、
ホラ貝を吹き鳴らしながら、ヴィーナスの周りを飛び回っています。
キューピッドは複数描かれており、それぞれのポーズや表情が豊かに描かれています。
色彩:
ヴィーナスの肌は、真珠のような光沢を放つ、明るいアイボリー色で描かれています。背景の海は、青と緑のグラデーションで描かれており、波の白さが際立っています。
空は淡い青色で、キューピッドの白色と対比して、空の青色が鮮やかに浮かび上がります。
時代背景と作者の意図
19世紀のフランスは、アカデミズム絵画が主流であり、カバネルもその代表的な画家の一人でした。「ヴィーナスの誕生」は、当時のサロンドパリに出品され、ナポレオン3世に買い上げられるなど、高い評価を受けました。
カバネルは、ギリシャ神話の女神を、官能的かつ理想的な美しさで描き出すことで、当時の観客を魅了しました。
作品の評価
カバネルの「ヴィーナスの誕生」は、その官能的な美しさから、当時の人々を魅了し、大きな成功を収めました。しかし、その一方で、エミールゾラなどの批評家からは、その過剰なまでの美しさが批判されることもありました。
現代においては、19世紀のアカデミズム絵画を代表する作品として、高く評価されています。
この解説が、視覚障がいをお持ちの方の絵画鑑賞の一助となれば幸いです。
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