102位 パルミジャニーノ「長い首の聖母」
パルミジャニーノ『長い首の聖母』
マニエリスムの象徴のような誇張された人体表現をもちながらも優美さを失わない傑作
- 絵画の題名 長い首の聖母
- 絵画の作者 パルミジャニーノ（イタリア）
- 美術様式 マニエリスム
- 絵画の制作年 1534年?1540年
- 絵画の画材 油彩、板
- 絵画の寸法 216cm × 132cm
- 絵画の所蔵 ウフィッツィ美術館（イタリア、フィレンツェ）
偉大すぎたルネサンスの巨匠たちから脱却するため、
誇張した人体表現に至ったマニエリスム初期の作であり代表作のひとつ。
聖母マリアと幼子イエス、6人の天使（1人の顔は薄く未完成と思われる）、
右下に聖人が描かれている。 マリアの長い首や指、天使の細長い足など、
誇張したありえない人体表現が印象的。 イエスも通常描かれるよりも幼子とは呼べない程度にだいぶ成長した姿で描かれていて、
その姿勢や表情は後の受難と死をあらわしている。
右下の聖人は聖ヒエロニムスで、
もうひとりセットで描かれる「聖会話」形式とすることが多い聖フランチェスコは足だけが描かれている。
柱は1本しか描かれていないようにみえるが、基壇部分は7本あり、
キリストの頭髪が描かれていないことなどからも、本作が未完成であることがわかる。
参考ページ「常識として知っておきたい世界の名画ランキング の記事一覧 知欲」
パルミジャニーノの「長い首の聖母」は、その独特な構図と人物描写で知られる、マニエリスム様式の傑作です。
視覚障がいをお持ちの方にも、この絵画の魅力を感じていただけるよう、できる限り詳しく解説します。
作品の概要
タイトル: 長い首の聖母作者: パルミジャニーノ
制作年: 1534年-1540年頃
所蔵: ウフィツィ美術館（フィレンツェ）
様式: マニエリスム
絵画の詳細な説明
構図:聖母マリアは、高い台座に座り、幼子イエスを膝に抱いています。聖母の右側には、幼子イエスを崇拝する6人の天使がひしめき合っています。
画面右下には、小さな人物が描かれています。
背景には大きな円柱が描かれています。
人物描写:聖母マリアは、非常に長く優雅な首を持ち、落ち着いた表情で幼子イエスを見つめています。
幼子イエスは、赤子にしては大きく、不安定な体勢で聖母の膝の上に横たわっています。
天使たちは、両性具有的な特徴を持ち、神秘的な雰囲気を醸し出しています。
画面右下の人物は、小さく描かれ、生きた人間なのか彫像なのか判別しにくい不思議な存在感を放っています。
色彩:
聖母マリアは、豪華な衣服を身にまとい、その色彩は豊かで鮮やかです。天使たちの衣服も、光沢のある美しい色彩で描かれています。
聖母の肌は、滑らかで美しい。
背景は、暗い色調で神秘的な雰囲気を醸し出しています。
時代背景と作者の意図
パルミジャニーノは、ルネサンス後期のマニエリスムを代表する画家です。マニエリスムは、ルネサンスの調和のとれた美しさとは異なり、誇張された人体表現や複雑な構図を特徴とします。
「長い首の聖母」は、パルミジャニーノがマニエリスムの様式を追求した作品であり、