100位 洞窟壁画
人類最古級の絵画
人類は少なくてもおよそ4万年前?絵画を描いてきた。
現在洞窟の壁や天井に描かれた絵画が遺されており、総称して洞窟壁画と呼ばれている。
近年では現生人類（ホモ・サピエンス）やクロマニョン人だけではなく、
ネアンデルタール人が作成した壁画も遺されている可能性も指摘されている（スペインのエル・カスティーヨ洞窟など）。
フランスの「ラスコー洞窟」
ラスコー洞窟壁画（wikipedia）
1940年に発見される。
およそ20,000年前、後期旧石器時代にクロマニョン人によって描かれた。
描かれているのは、馬、山羊、羊、野牛、島、かもしか、人間など。
スペインの「アルタミラ洞窟」
アルタミラ洞窟壁画（複製、wikipedia）
1879年に発見される。
およそ18,500年から14,000年前、旧石器時代末期に描かれた。
野牛、イノシシ、馬、トナカイなどが描かれている。
フランスの「ショーベ洞窟」
ショーベ洞窟壁画（wikipedia）
1994年に発見される。
およそ32,000年前の旧石器時代に描かれた。
すでに絶滅している野牛をはじめ、馬、サイ、ライオン、鹿、フクロウ、ハイエナ、ヒョウなどが描かれている。
ネアンデルタール人によって描かれたと考えている学者もいる。
ほか、スペインの「エル・カスティーヨ洞窟」や42,000年前ともいわれネアンデルタール人が描いたともいわれている。
フランスの「コスケール洞窟」は現在は入口が海底にある洞窟で、少なくても23,000年前、
そしてインドネシア・スラウェシ島の「リアン・テドング洞窟」では、
現在最古とみられる45,500年前に描かれた等身大のイノシシの絵がみつかっている。
スラウェシ島洞窟壁画は44,000年前だと思われていたが、2021年1月にさらに古い壁画がみつかった。
参考ページ「常識として知っておきたい世界の名画ランキング の記事一覧 知欲」
洞窟壁画は、人類が残した最も古い芸術作品の一つであり、
視覚障がい者の方々にもその魅力を感じていただけるよう、できる限り詳細な説明を試みます。
1. 構図と描かれているもの
全体像:洞窟の壁面という、自然の凹凸があるキャンバスに描かれており、平坦な絵画とは異なる独特の立体感があります。描かれている動物たちは、写実的に表現されているものもあれば、
記号化・抽象化されたものもあり、多様な表現方法が用いられています。
動物たちが単独で描かれている場合もあれば、群れで描かれている場合、
あるいは人間と動物が組み合わせて描かれている場合もあります。
動物の表現:描かれている動物は、マンモス、バイソン、馬、鹿など、当時の人々が狩猟対象としていた大型動物が中心です。
動物の輪郭線は力強く、躍動感が表現されています。
動物の体の一部（角、ひづめなど）が強調して描かれている場合もあります。
動物の動きや姿勢は多様で、走っているもの、立ち止まっているもの、横たわっているものなど様々です。
人間の表現:人間の表現は、動物に比べて記号化・抽象化されている場合が多いです。
狩猟の様子や、儀式のような場面が描かれている場合もあります。
手形や足跡など、人間の存在を示す記号も描かれています。
2. 色彩
使用された顔料:主な顔料は、酸化鉄（赤、黄、茶）、木炭（黒）、マンガン（黒、茶）など、自然界から採取された鉱物や植物です。これらの顔料は、水や動物の脂肪などで溶いて使用されました。
色彩の特徴:色彩は、赤、黄、黒、茶など、限られた色が使用されています。
動物の体毛や筋肉の陰影を表現するために、濃淡が使い分けられています。
色彩は、写実的な表現だけでなく、象徴的な意味合いを持つ場合もあります。
3. 時代背景と作者の意図
時代背景:洞窟壁画は、主に旧石器時代後期（約4万年前～1万年前）に描かれました。当時の人々は、狩猟採集生活を営んでおり、洞窟は住居や儀式の場として利用されました。
作者の意図:
洞窟壁画の作者の意図については、様々な説があります。狩猟の成功を祈るための呪術的な意味合いがあったとする説、あるいは、動物への畏敬の念を表したとする説などがあります。
また、記録として残した。
あるいは、単なる装飾であったとする説もあります。
4. 作品の評価
芸術的価値:洞窟壁画は、人類最古の芸術作品として、非常に高い芸術的価値を持っています。動物の形態や動きの的確な描写、力強い線描、色彩の使い方は、現代の芸術家にも影響を与えています。
歴史的価値:洞窟壁画は、当時の人々の生活や文化、精神性を知る上で、非常に貴重な資料です。
描かれている動物の種類や数、人間の活動の様子などから、当時の自然環境や社会構造を推測することができます。
代表的な洞窟壁画の例
ラスコー洞窟（フランス）:躍動感あふれる動物たちの絵が多数描かれています。
特に、巨大な牡牛の絵は有名です。
アルタミラ洞窟（スペイン）:
色彩豊かで写実的な動物たちの絵が描かれています。
特に、横たわるバイソンの絵は有名です。
これらの情報を参考に、視覚障がい者の方々にも洞窟壁画の魅力が伝わることを願っています。
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