95位 ジョット「荘厳の聖母」
ジョット・ディ・ボンドーネ『荘厳の聖母』
「西洋絵画の祖」が描くルネサンスの始まり
- 絵画の題名 荘厳の聖母、（オニサンティの聖母）
- 絵画の作者 ジョット・ディ・ボンドーネ（イタリア）
- 美術様式 後期ゴシック
- 絵画の制作年 1306年?1310年
- 絵画の画材 テンペラ、板
- 絵画の寸法 325cm × 204cm
- 絵画の所蔵 ウフィッツィ美術館（イタリア、フィレンツェ）
聖人と天使に囲まれた聖母マリアと幼子キリストで、ゴシックで定番のテーマと表現。
ルネサンスの始まりの作品としても知られる祭壇画。
聖母とキリストが大きく描かれているのは序列をあらわす古い表現方法であるが、
従来二次元的であった絵画に初期の遠近法を用いた奥行きと空間表現を導入した。
また、輪郭線をぼやけさせる表現や聖母のまなざしはダ・ヴィンチの『モナ・リザ』へと昇華して受け継がれていく。
参考ページ「常識として知っておきたい世界の名画ランキング の記事一覧 知欲」
ジョットの「荘厳の聖母」は、14世紀イタリアの画家ジョット・ディ・ボンドーネによって描かれた、ゴシック美術の傑作です。
視覚障がいをお持ちの方にも、この絵画の魅力を感じていただけるよう、できる限り詳しく解説します。
作品の概要
主題: 荘厳の聖母（玉座の聖母子）制作年: 1305年～1310年頃
所蔵: イタリア、フィレンツェ、ウフィツィ美術館
構図
絵画の中心には、幼子イエスを抱く聖母マリアが玉座に座っています。聖母は、画面いっぱいに広がる堂々とした姿で描かれ、その威厳と母性を感じさせます。
聖母の周囲には、天使や聖人たちがひしめき合い、聖母子を讃えています。
天使たちは、聖母の足元にひざまずき、聖母子を見上げる者、聖母の背後に立ち、聖母を見守る者など、様々な姿勢で描かれています。
玉座はゴシック様式の建築を思わせる装飾が施されており、荘厳さを演出しています。
人物描写
聖母マリア:落ち着いた表情で、鑑賞者を見つめるような視線を送っています。顔立ちや体つきは、それまでの聖母像に比べて、より人間らしく、親しみやすい印象を与えます。
頭部を白いベールで覆い、青いマントと赤い衣服を身にまとっています。
幼子イエス:聖母の膝の上に座り、祝福を与えるような仕草をしています。
幼子イエスもまたおだやかな表情をしています。
天使と聖人:様々な表情や姿勢で描かれ、それぞれの個性と聖母子への敬意を表しています。
色彩
聖母の青いマント、赤い衣服、天使たちの鮮やかな色彩が、金色の背景に映え、荘厳な雰囲気を醸し出しています。金色は神聖な空間を象徴的に表しています。
聖母の肌や衣服の陰影は、写実的に描かれており、人物の立体感を引き立てています。
時代背景と作者の意図
ジョットは、中世の硬直した絵画様式から脱却し、ルネサンスの写実的な絵画様式への転換点となる作品を数多く残しました。「荘厳の聖母」は、その代表作の一つであり、聖母マリアを人間味豊かに描くことで、宗教画に新たな息吹を吹き込みました。
ジョットは、聖母マリアの威厳と母性を同時に表現することで、鑑賞者に深い感動を与えようとしたと考えられます。
作品の評価
「荘厳の聖母」は、ジョットの最高傑作の一つとして高く評価されており、西洋美術史における重要な作品です。ジョットの革新的な絵画技法は、その後のルネサンス美術に大きな影響を与えました。
この解説が、視覚障がいをお持ちの方にとって、「荘厳の聖母」を鑑賞する一助となれば幸いです。
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