91位 パウル・クレー「セネキオ（野菊）」
パウル・クレー『セネキオ（野菊）』
漫画キャラクターのようなシンプルさで感情を表現
- 絵画の題名 セネキオ（野菊）
- 絵画の作者 パウル・クレー（スイス）
- 美術様式 表現主義、抽象主義
- 絵画の制作年 1922年
- 絵画の画材 油彩、カンヴァス
- 絵画の寸法 40.5cm × 38cm
- 絵画の所蔵 バーゼル市立美術館（スイス、バーゼル）
カンディンスキーとともに芸術活動をおこなったスイスの画家パウル・クレーの代表作のひとつ。
野菊の花と人間の顔を融合させたうえで、シンプルな直線と曲線で人間の表情まで描いた。
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パウル・クレーの「セネキオ（野菊）」は、
視覚障がいを持つ方にもその魅力を感じていただけるよう、以下のポイントに沿って詳しく解説します。
作品の概要
パウル・クレーが1922年に制作した油彩作品です。「セネキオ」とは、キク科の植物のことで、日本では「野菊」とも呼ばれます。
キュビスムの影響を受けた、独特な表現が特徴的な作品です。
構図
絵の中心には、顔が正面を向いて描かれています。顔は円形に近い形をしており、幾何学的な線で構成されています。
顔の各パーツは、単純化された図形によって表現されています。
目は、小さな長方形や三角形で表され、まっすぐこちらを見ているようです。
鼻は、細い線で示されています。
口は、横長の線で、わずかに微笑んでいるようにも見えます。
髪の毛は、幾何学的な形で表現され、顔の周りを取り囲んでいます。
背景は、さまざまな色の四角形や三角形で構成され、抽象的な空間を作り出しています。
色彩
顔は、オレンジ色や黄色、赤色などの暖色系の色が使われており、明るく、温かい印象を与えます。髪の毛は、茶色や黒色などの落ち着いた色が使われています。
背景には、さまざまな色が使われており、画面全体に豊かな色彩を与えています。
全体的に、明るく、鮮やかな色彩が特徴的です。
時代背景と作者の意図
1920年代のヨーロッパは、第一次世界大戦後の混乱と、新しい芸術運動の胎動期でした。クレーは、キュビスムや表現主義などの影響を受けつつ、独自の画風を確立しました。
この作品は、クレーがバウハウスで教鞭をとっていた時期に制作されました。
クレーは、子どもの絵や原始美術にも関心を持ち、単純化された形や記号を用いて、内面的な世界を表現しようとしました。
「セネキオ」は、人間の顔を植物に見立てて描いた作品であり、
自然と人間の融合、あるいは人間の内面的な表情を探求した作品であると考えられています。
また、クレー自身の自画像であるという説もあります。
作品の評価
「セネキオ」は、クレーの代表作の一つとして、世界的に高く評価されています。その独特な構図と色彩、そして内面的な表現は、多くの人々を魅了してきました。
この作品は、現代美術の先駆的な作品として、美術史にその名を刻んでいます。
補足
「セネキオ」は、見る人によってさまざまな解釈が可能な作品です。視覚障がいを持つ方も、触覚や聴覚など、他の感覚を働かせることで、この作品の魅力を感じることができるでしょう。
この解説が、視覚障がいを持つ方々の作品鑑賞の一助となれば幸いです。
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