82位 ロートレック「ムーラン・ルージュに入るラ・グリュ」
アンリ・ド・トゥールーズ＝ロートレック『ムーラン・ルージュに入るラ・グリュ』
ロートレック自身が認める最高傑作
- 絵画の題名 ムーラン・ルージュに入るラ・グリュ
- 絵画の作者 アンリ・ド・トゥールーズ＝ロートレック（フランス）
- 美術様式 ポスト印象主義
- 絵画の制作年 1892年
- 絵画の画材 油彩、板
- 絵画の寸法 79.4cm × 59cm
- 絵画の所蔵 ニューヨーク近代美術館館（アメリカ、ニューヨーク）
フランスはパリのモンマルトルにあるキャバレー「ムーラン・ルージュ」。
ロートレックはここに通い詰め踊り子の絵をはじめ数多くの作品を描いた。
本作は「ラ・グリュ（大食い）」と呼ばれたムーラン・ルージュのスターダンサーであるルイーズ・ウェーバーが、
ムーラン・ルージュに入る場面を描いた。
ルイーズはダンス中に客のテーブルにあるものを飲み食いするためこのあだ名がついた。
ルイーズの右にいるのは妹、左にいるのは恋人。
ロートレックはダンサーを多く描いたが、中でもラ・グリュはお気に入りであった。
ロートレックはこの肖像画とポスター（100位に掲載）で不動の名声を手に入れた。
参考ページ「常識として知っておきたい世界の名画ランキング の記事一覧 知欲」
トゥールーズ＝ロートレックの「ムーラン・ルージュに入るラ・グリュ」ですね。
この作品について、視覚障害をお持ちの方にもイメージが伝わるよう、詳しく解説します。
作品の概要
この作品は、19世紀末のパリ、モンマルトルにあった有名なキャバレー「ムーラン・ルージュ」の看板ダンサー、ラ・グリュを描いたリトグラフ（石版画）です。
ロートレックは、彼女の踊る姿を大胆な構図と独特の色彩で捉え、当時のパリの歓楽街の雰囲気を鮮やかに表現しました。
構図と描かれているもの
画面中央には、ラ・グリュが踊る姿が大きく描かれています。彼女は、フレンチカンカンの激しい踊りの最中で、片足を高く上げ、スカートを大きく広げています。
彼女の周りには、観客や他のダンサーたちが描かれており、賑やかな雰囲気を醸し出しています。
ラ・グリュの表情は、踊りに熱中している様子が伺えます。
彼女のヘアスタイルは、当時流行していたアップスタイルで、華やかな装いです。
観客たちの視線は、舞台上のラ・グリュに注がれており、彼女の踊りに魅了されている様子が伝わってきます。
色彩
ラ・グリュの衣装は、明るい黄色や赤色が使われており、舞台上でひときわ目を引きます。彼女の肌は、明るいピンク色で表現され、生き生きとした印象を与えます。
背景には、黒や茶色などの暗い色が使われており、舞台の照明と観客の影を効果的に表現しています。
全体的に、鮮やかで大胆な色彩が使われており、当時のパリの華やかで退廃的な雰囲気を伝えています。
時代背景と作者の意図
19世紀末のパリは、ベル・エポック（良き時代）と呼ばれ、芸術や文化が花開いた時代でした。ロートレックは、当時のパリの歓楽街、
特にモンマルトルのキャバレーやダンスホールに足繁く通い、そこで出会った人々を作品に描きました。
彼は、ラ・グリュをはじめとするダンサーや娼婦たちに魅了され、彼女たちの生き生きとした姿や内面を、独特の視点で捉えました。
この作品は、単にラ・グリュの踊る姿を描いただけでなく、
当時のパリの社会や文化、人々の欲望やエネルギーをも表現していると考えられています。
作品の評価
彼の作品は、当時の美術界に大きな影響を与え、後の芸術家たちに多大なインスピレーションを与えました。現在でも、ロートレックの作品は世界中の美術館で展示されており、多くの人々を魅了し続けています。
補足
ロートレックは、幼少期の病気の影響で体が不自由でしたが、そのハンディキャップを乗り越え、独自の芸術を生み出しました。彼の作品は、人間の内面を深く見つめる視点と、大胆な構図と色彩感覚が特徴です。
この解説が、作品への理解を深める一助となれば幸いです。
ｐｒｅｓｅｎｔｅｄ ｂｙ ｃｈａｔ ｇｐｔ