77位 ミケランジェロ「聖家族と幼い洗礼者ヨハネ」
ブオナローティ・ミケランジェロ『聖家族と幼い洗礼者ヨハネ』
あえてダヴィンチと異なる陰影を付けた聖家族
- 絵画の題名 聖家族と幼い洗礼者ヨハネ、聖家族
- 絵画の作者 ブオナローティ・ミケランジェロ(イタリア)
- 美術様式 盛期ルネサンス
- 絵画の制作年 1507年頃
- 絵画の画材 油彩、テンペラ、板
- 絵画の寸法 120cm × 120cm
- 絵画の所蔵 ウフィッツィ美術館(イタリア、フィレンツェ)
ルネサンスの巨匠ミケランジェロが描いたトンド(円形の絵画)の聖家族。
現存するミケランジェロのパネル絵3枚のなかで唯一の完成した作品。
同じくルネサンスの巨匠ダ・ヴィンチは輪郭線を描かない手法を得意としたが、
本作でミケランジェロは濃い輪郭線を描き、明暗を描き出し陰影を際立たせている。
遠景の男性たを柔らかく描くことで、はっきり陰影を出して描かれた前景の聖家族がさらに際だっている。
中心に描かれるのは聖母マリアで、幼子キリストを抱き上げている。
上の男性は聖ヨセフ。
マリア、ヨセフ、キリストを描いた聖家族の絵画で、
本作では右にキリストの先導者でもある洗礼者ヨハネ少年が描かれている。
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作品の概要
ミケランジェロの「聖家族と幼い洗礼者ヨハネ」(通称:ドーニ・トンド)は、
ルネサンス期を代表する傑作の一つであり、その独特な構図と色彩、そして深い象徴性で多くの人々を魅了しています。
視覚障がいをお持ちの方にも、この作品の魅力をできる限り詳しくお伝えできるよう、解説いたします。
構図と登場人物
この作品は、円形(トンド)の構図の中に、聖家族と幼い洗礼者ヨハネが描かれています。
聖母マリア:画面中央に、ひざまずき、幼子イエスを抱きかかえようとする姿で描かれています。
表情は、静かで力強く、母としての愛情と威厳を感じさせます。
頭にはヴェールを被り、髪は短くまとめられています。
視線は、幼子イエスに向けられています。
幼子イエス:聖母マリアの腕の中で、聖ヨセフの方へ体をねじり、彼を見上げています。
幼いながらも、力強く、堂々とした印象を与えます。
表情は、純粋で、希望に満ちています。
聖ヨセフ:画面左側に、聖母マリアの後ろに立つ姿で描かれています。
聖母に幼子イエスを渡そうとしているようにも見えます。
表情は、穏やかで、聖家族を見守る父親としての優しさを感じさせます。
幼い洗礼者ヨハネ:画面右側に、聖家族を見上げる姿で描かれています。
幼いながらも、敬虔な表情で、キリストへの崇拝を表しています。
背景の裸体の人物群:聖家族の背景には、裸体の人物群が描かれています。
これらの人物たちの解釈は様々ですが、異教の世界を表しているという説が有力です。
色彩
ミケランジェロは、鮮やかで力強い色彩を用いています。
聖母マリアの衣服:鮮やかなピンク色の衣服を身に着けています。
衣服の陰影が細かく表現され、立体感が強調されています。
幼子イエスと聖ヨセフの衣服:比較的落ち着いた色調の衣服を身に着けています。
背景の人物群:肌の色が細かく描き分けられ、人物たちの肉体美が際立っています。
時代背景と作者の意図
この作品は、ルネサンス期のフィレンツェで制作されました。
ミケランジェロは、人体解剖学に基づいた正確な描写と、力強い表現力で、人物たちの内面まで描き出しました。
この作品では、聖家族の愛情と、キリスト教の重要なテーマである救済が表現されています。
背景の裸体の人物群は、異教の世界とキリスト教の世界の対比を表していると考えられています。
作品の評価
「聖家族と幼い洗礼者ヨハネ」は、ミケランジェロの代表作の一つとして、高く評価されています。
その独特な構図と、力強い人物表現は、後の芸術家たちに大きな影響を与えました。
色彩と光の使い方も非常に巧妙で、人物たちの存在感を際立たせています。
この作品は、ミケランジェロの卓越した才能と、深い精神性を物語っています。
補足・この作品は、ドーニという裕福な商人の結婚祝いとして制作されました。
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