76位 ブリューゲル(父)「農民の婚宴」
ピーテル・ブリューゲル『農民の婚宴』
「農民画家」が描いた農民の婚礼の風俗画
- 絵画の題名 農民の婚宴
- 絵画の作者 ピーテル・ブリューゲル(オランダ)
- 美術様式 後期フランドル絵画(北方ルネサンス)
- 絵画の制作年 1568年
- 絵画の画材 油彩、板
- 絵画の寸法 114cm × 164cm
- 絵画の所蔵 ウィーン美術史美術館(オーストリア、ウィーン)
『バベルの塔』で有名なブリューゲルは本来「農民画家」と呼ばれるほど農民の姿を描き、
「風俗画家」の先駆けともみられている。
北方ルネサンスの時代には神話や聖書を題材とした絵画が普通で、
農民などの庶民の生活を描いた「風俗画」はまだこれからという時代。
ブリューゲルは時代を先駆け「風俗画」を描き、
真ん中の紺色の膜の前に座る花冠をつけた女性が花嫁とみられ、
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作品の概要・・
ピーテル・ブリューゲル(父)の「農民の婚宴」は、16世紀フランドルの農村を舞台にした、結婚披露宴の様子を描いた作品です。
視覚障がいをお持ちの方にも、この絵画の魅力を感じていただけるよう、詳しく解説します。
1. 構図
画面全体は、農民たちの賑やかな宴の様子で埋め尽くされています。
中央には、食事が並べられたテーブルが配置され、人々が食事を楽しんでいます。
画面手前には、料理を運ぶ人々が描かれ、奥へと視線が誘導されるような構図になっています。
画面右端で黒色の服を身に着けて座っている男性は、村の領主であるといわれている他、
扮装して農村の婚宴にやってきたブリューゲル自身であるとも言われています。
2. 人物描写
農民たちの表情は豊かで、喜びや満足感、あるいは酔っ払いなど、様々な感情が生き生きと表現されています。
花嫁は、緑色の幕の下に座っており、黒いドレスと特徴的な髪型で描かれています。
花婿は、給仕をしている男性か、酒を注いでいる男性のどちらかであると言われています。
画面手前で2人の農民が運んでいるのは、ブライと呼ばれるフランドル地方特有のプディングです。
テーブルの周りには、食事をする人々、楽器を演奏する人々、子どもたちが描かれています。
当時の農民の服装やヘアスタイルが細かく描写されています。
3. 色彩
全体的に暖色系の色彩が用いられ、宴の賑やかで温かい雰囲気を醸し出しています。
農民たちの衣服は、茶色、赤、緑など、素朴で落ち着いた色合いで描かれています。
料理や食器は、鮮やかな色彩で描かれ、食欲をそそります。
背景の壁や天井は、暗い色調で描かれ、人物たちを際立たせています。
4. 時代背景と作者の意図
16世紀フランドルは、農村文化が豊かに花開いた時代でした。
ブリューゲルは、農民たちの日常生活や風俗を題材に、多くの作品を描きました。
この作品では、農民たちの結婚披露宴の様子を、
生き生きと描写することで、当時の農村文化の豊かさや、人々の生活の喜びを表現しようとしたと考えられています。
5. 作品の評価
「農民の婚宴」は、ブリューゲルの代表作の一つであり、フランドル絵画の傑作として高く評価されています。
農民たちの生活を生き生きと描写した点、豊かな色彩と構図、そして、人間味あふれる人物描写が、この作品の魅力です。
この作品は、当時の農村文化を知る上で、貴重な資料となっています。
補足情報・ブリューゲルは、農民たちの日常を題材にした作品を多く描きましたが、
それらの作品には、単なる風俗画にとどまらない、深い人間観察や風刺が込められています。
「農民の婚宴」にも、当時の社会に対する批判や、人間の愚かさに対する風刺が込められているという解釈もあります。
この解説が、「農民の婚宴」を鑑賞する上で、少しでもお役に立てれば幸いです。
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