メデューズ号の筏

70位ジェリコー「メデューズ号の筏」
メデューズ号の筏『メデューズ号の筏』

絵画の題名メデューズ号の筏

絵画の作者ジェリコー（フランス）

美術様式ロマン主義（フランス初期ロマン派）

絵画の制作年 1818年?1819年

絵画の画材油彩、カンヴァス

絵画の寸法 491cm × 716cm

絵画の所蔵ルーブル美術館（フランス、パリ）

フランス海軍のメデューズ号が難破した際、艦長ら指揮艦が真っ先に脱出、
残された船員は急造した筏で13日間漂流し100名以上が死亡、
生き残った15名が水平線の先に船を見つけた状況を描いた実物大の大作。

参考ページ「常識として知っておきたい世界の名画ランキングの記事一覧知欲」

作品の概要

テオドール・ジェリコーの「メデューズ号の筏」ですね。
視覚障がいをお持ちの方にも分かりやすいよう、できる限り詳しく解説します。

1. 構図と描かれているもの

この絵は、1816年に起こったフランス海軍のフリゲート艦メデューズ号の難破事件を題材にしています。
画面全体に、難破した船の乗組員たちが乗る、粗末な筏が描かれています。
筏: 画面の大部分を占める筏は、不安定な木材で組まれ、波に揺られています。
人物: 筏の上には、多くの人々がひしめき合っています。
彼らは、絶望、苦痛、そしてわずかな希望といった複雑な感情を表現しています。
画面右下では、うなだれて死んでいると思われる人が何人か描かれています。
画面中央付近では、絶望の中で嘆き悲しんでいる人が描かれています。
画面左側では、希望を求めて遠くを見つめる人々が描かれています。
画面の一番高いところでは、救助を求めてハンカチのようなものを振っている人物が描かれています。
表情と視線: 人々の表情は、苦痛、絶望、そしてわずかな希望を物語っています。
彼らの視線は、遠くの水平線、あるいは天を仰ぐなど、それぞれの感情を表現しています。
ヘアスタイル: 登場人物のヘアスタイルは、乱れており、彼らの苦しい状況を物語っています。

2. 色彩

全体的に、暗く、くすんだ色彩が用いられています。
空と海: 空は暗い灰色で、荒れ狂う海は緑がかった灰色です。
人物: 人々の肌は、青白いものから日焼けしたものまで、様々な色が用いられています。
衣服は、破れたり、汚れたりしており、暗い色が中心です。
画面右下の死んでいると思われる人の肌は、緑がかった色で描かれており、死を連想させます。

3. 時代背景と作者の意図

この絵は、フランス復古王政の時代に描かれました。
メデューズ号の難破事件は、当時の政府の無能さを象徴する事件として、大きな社会問題となりました。
ジェリコーは、この事件を通して、人間の極限状態における感情や、社会の不条理を描き出そうとしました。
ジェリコーは、この作品を制作するにあたり、生存者への取材、死体安置所での観察、筏の模型制作など、徹底したリアリズムを追求しました。

4. 作品の評価