64位 ラファエロ「小椅子の聖母」
ラファエロ・サンツィオ『小椅子の聖母』
最も愛された聖母子。ルネサンス絵画の最高傑作
- 絵画の題名 小椅子の聖母
- 絵画の作者 ラファエロ・サンツィオ（イタリア）
- 美術様式 盛期ルネサンス
- 絵画の制作年 1514年
- 絵画の画材 油彩、板
- 絵画の寸法 71cm × 71cm
- 絵画の所蔵 パラティーナ美術館 ピッティ宮（イタリア、フィレンツェ）
ルネサンスの巨匠にして「聖母子の画家」と呼ばれるラファエロ・サンツィオが描いた最も愛されてきた聖母子像。
聖母マリア、幼子イエス、洗礼者ヨハネを描く定番の構図を、円形絵画である「トンド」に美しい構図で描き込んだ。
柔和で優しいマリアのまなざしと丸く柔らかなイエスに洗礼者ヨハネ。
伝統通りマリアの衣は赤く、膝にかけたマントは青く、イエスの黄色い衣とあいまって、
中心の暖色と周囲の寒色の対比が美しい（暖色・寒色の区別はラファエロの数百年後の理論）。
マリアが椅子に座る構図とすることで円形にふさわし曲線となり、形も色も計算されつくされている。
ラファエロの技量が余すところなく発揮され、穏やかで慈愛に満ちた作品となった。
参考ページ「常識として知っておきたい世界の名画ランキング の記事一覧 知欲」
作品の概要
ラファエロ・サンティの「小椅子の聖母」について、
視覚障害をお持ちの方にもイメージしていただけるよう、できる限り詳しく解説します。
作品の概要
「小椅子の聖母」は、ルネサンス期の巨匠、ラファエロ・サンティが1513年から1514年頃に描いた油彩画です。
この作品は、聖母マリアが幼いイエス・キリストを抱き、洗礼者聖ヨハネがそれを見守る様子を描いた聖母子像です。
特徴的なのは、円形の構図（トンド）で描かれている点です。
構図と人物描写
構図:画面全体は円形で、聖母マリア、イエス・キリスト、洗礼者聖ヨハネの3人が中心に配置されています。
聖母マリアは中央に座り、幼いイエスを抱きしめています。
洗礼者聖ヨハネは、聖母とイエスを敬虔な眼差しで見つめています。
人物描写・聖母マリア:
優しく穏やかな表情で、幼いイエスを抱きしめています。
視線は鑑賞者の方に向いているようで、私たちに温かいまなざしを向けています。
頭には布をかぶり、髪は豊かにウェーブしています。
イエス・キリスト:聖母マリアに抱かれ、幼いながらも落ち着いた様子です。
聖母マリアによりそっています。
洗礼者聖ヨハネ:幼いながらも敬虔な表情で、聖母とイエスを見つめています。
両手を合わせ祈る姿で描かれています。
色彩
全体的に暖色系の色彩が用いられ、温かく柔らかな雰囲気です。
聖母マリアの衣服:赤い上着に、緑色の裾、頭には白い布をかぶっています。
肌の色:3人とも明るく滑らかな肌の色で、生命感と温かみが感じられます。
背景は暗い色調で、人物が際立つようになっています。
時代背景と作者の意図
ルネサンス盛期の作品であり、調和のとれた美しい構図と、人物の豊かな感情表現が特徴です。
ラファエロは、聖母マリアの人間的な優しさと、母子の愛情を描き出すことを意図したと考えられています。
円形の構図は、ルネサンス期に流行したもので、完璧な調和と美を象徴しています。
作品の評価
「小椅子の聖母」は、ラファエロの代表作の一つとして、世界中で高く評価されています。
聖母マリアの優美な姿と、母子の愛情に満ちた表現は、多くの人々を魅了し続けています。
現在、イタリアのフィレンツェにあるピッティ宮殿に所蔵されています。
補足情報・この作品は、「聖母の画家」と呼ばれたラファエロの、数ある聖母子像の中でも特に人気が高い作品の一つです。
ラファエロは、レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロと並び、ルネサンス三大巨匠の一人として知られています。
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