62位 ゴッホ「アルルの部屋」
フィンセント・ファン・ゴッホ『アルルの部屋』
夢の暮らしが待つはずだった黄色い家にあるゴッホの部屋
- 絵画の題名 アルルの部屋（ゴッホの寝室）
- 絵画の作者 フィンセント・ファン・ゴッホ（オランダ）
- 美術様式 ポスト印象主義
- 絵画の制作年 1889年
- 絵画の画材 油彩、カンヴァス
- 絵画の寸法 55.5cm × 74cm
- 絵画の所蔵 オルセー美術館（フランス、パリ）
ゴッホが南フランスのアルルで芸術家たちの共同生活をするために借りた家「黄色い家」の2階、ゴッホの部屋を描いた作品。
この「黄色い家」を飾るために描かれた「ひまわり」と同じようにゴッホの代表作のひとつ。
ゴッホは同じ構図の作品を3点描いており、本作は1889年に母アンナのために描いた少し小さい作品。
なお、「黄色い家」は1944年に戦災で失われている。
ゴッホ『アルルの部屋』1888年
「黄色い家」でゴーギャンと共同生活を始める直前に描かれた1作目。
ゴッホ『アルルの部屋』1889年
1作目を複製した2作目。
ゴッホ『黄色い家』1888年、ゴッホ美術館
ゴッホ『母の肖像』1888年、ノートン・サイモン美術館
参考ページ「常識として知っておきたい世界の名画ランキング の記事一覧 知欲」
作品の説明
フィンセント・ファン・ゴッホの「アルルの部屋」ですね。
視覚障がいをお持ちの方にも分かりやすいよう、できる限り詳細に解説します。
作品の概要
「アルルの寝室」は、ゴッホが南フランスのアルルで共同生活を夢見て借りた「黄色い家」の自室を描いた作品です。
この作品には、ゴッホ自身が描いたものと、彼が自身の作品を模写したものが複数存在します。
以下に、作品の詳しい解説をします。
構図
部屋全体:絵の中心には、木製の簡素なベッドが置かれています。
ベッドの左右には、椅子やテーブル、壁に掛けられた絵画などが配置されています。
部屋全体は、ゴッホ特有の力強い筆致で描かれており、簡素ながらも温かみのある空間が表現されています。
ベッド:ベッドは手前に置かれており、鑑賞者は部屋の中に招かれたような感覚になります。
ベッドカバーや枕は、黄色や青色などの鮮やかな色彩で塗られています。
家具:椅子やテーブルは、簡素な木製で、ゴッホの生活感が伝わってきます。
壁には、ゴッホ自身が描いた絵画が掛けられており、彼の芸術への情熱が感じられます。
床:床の木目は、ゴッホの独特の筆遣いで描かれており、部屋に奥行きを与えています。
色彩
黄色:壁やベッドカバーなど、部屋の至る所に黄色が使われています。
この黄色は、ゴッホが南フランスの明るい日差しや、希望に満ちた心情を表現したものです。
青色:ベッドカバーや椅子などに青色が使われており、黄色の補色として、色彩のコントラストを生み出しています。
その他の色:茶色や緑色など、落ち着いた色彩も使われており、部屋全体の調和を生み出しています。
ゴッホは、これらの色を大胆に組み合わせることで、独特の色彩表現を生み出しています。
時代背景
この作品は、ゴッホがアルルでゴーギャンとの共同生活を夢見ていた時期に描かれました。
ゴッホは、南フランスの明るい日差しや、自然の美しさに魅了され、この地で新たな芸術を生み出そうとしていました。
しかし、ゴーギャンとの共同生活はうまくいかず、ゴッホは精神的に不安定な状態に陥りました。
作者の意図
ゴッホは、「アルルの寝室」を通して、自身の内面世界を表現しようとしました。
簡素な部屋の様子や、鮮やかな色彩は、ゴッホの精神状態や感情を反映しています。
また、この作品は、ゴッホが理想とした共同生活への希望や、孤独感を表しているとも言われています。
作品の評価
「アルルの寝室」は、ゴッホの代表作の一つとして、世界的に高く評価されています。
ゴッホ独特の色彩表現や、力強い筆致は、多くの人々を魅了しています。
また、この作品は、ゴッホの精神世界を理解する上で、重要な作品とされています。
その他：ゴッホは、「アルルの寝室」を複数制作しており、それぞれ色彩や構図が微妙に異なっています。
この作品は、ゴッホの死後、彼の作品を支援していた弟のテオによって、広く知られるようになりました。
この解説が、視覚障がいをお持ちの方の作品理解の一助となれば幸いです。
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