59位 マグリット「白紙委任状」
マグリット『白紙委任状』
最も有名なだまし絵
- 絵画の題名 白紙委任状
- 絵画の作者 マグリット（ベルギー）
- 美術様式 シュルレアリスム
- 絵画の制作年 1965年
- 絵画の画材 油彩、カンヴァス
- 絵画の寸法 81.3cm × 65.1cm
- 絵画の所蔵 ナショナルギャラリー（アメリカ、ワシントン）
シュルレアリスムの画家マグリットは多くのだまし絵的な絵画を描いたが、本作はその中で最も有名な作品のひとつ。
本来見える物と見えない物を同時に表現した。
マグリット『大家族』
マグリット『人の子』
マグリット『イメージの裏切り』
参考ページ「常識として知っておきたい世界の名画ランキング の記事一覧 知欲」
作品の説明
ルネ・マグリットの「白紙委任状」ですね。
視覚障がいをお持ちの方にも作品の魅力が伝わるよう、できる限り詳しく解説します。
作品の概要
「白紙委任状」は、1965年にベルギーの画家ルネ・マグリットによって制作された油彩作品です。
マグリットの代表的な作品の一つであり、彼の特徴である「シュルレアリスム」（超現実主義）の技法が用いられています。
構図
中央の女性と馬: 画面の中央には、馬に乗った女性が描かれています。
女性は森の中を馬に乗って進んでおり、まるで絵画の世界に鑑賞者が入り込んだような感覚になります。
森の木々: 女性と馬の周囲には、たくさんの木々が描かれています。
これらの木々は、手前、奥、横と様々な位置に配置され、奥行きのある空間を演出しています。
重なり合うイメージ: この絵画の最大の特徴は、女性、馬、木々が互いに重なり合って描かれている点です。
通常、手前の物体は奥の物体を隠しますが、この絵では、女性や馬が木々の間を縫うように、
また木々が女性や馬を覆い隠すように描かれており、現実の空間ではありえない光景が広がっています。
女性の表情と視線: 女性の表情は穏やかで、視線は鑑賞者の方ではなく、進行方向へ向けられています。
女性の服装と髪型: 女性は乗馬服を着ており、帽子を被っています。
髪は帽子で隠れており、詳細は不明です。
色彩
緑と茶色: 森の木々を表現するために、様々な緑色と茶色が使われています。
女性と馬: 女性の服装は暗い色調で、馬も同様に暗い色調で描かれています。
空: 空の色は比較的明るく、背景としての役割を果たしています。
時代背景と作者の意図
マグリットは、日常的な事物や光景を非日常的な組み合わせで描くことで、見る人に既成概念への問いかけを促しました。
「白紙委任状」もその一つであり、通常の空間認識を覆すことで、見る人に「現実とは何か」を考えさせようとしています。
「白紙委任状」というタイトルは、「見えるものと見えないものを好きにしていい」という意味が込められていると言われています。
マグリットは「私達は、いつも私達が見ているものによって隠されているものを見ることを欲している。」という言葉を残しています。
目に見えるものは、見えないものを隠すことが出来る。
白紙委任状とは、彼女がしていることに対して、彼女に与えられた許可証であると解釈する事ができます。
見えるもの見えないものの関係は、マグリット作品共通の鍵となっています。
作品の評価
「白紙委任状」は、マグリットの代表作の一つとして高く評価されており、多くの人々に愛されています。
その独創的な構図と、見る人に考えさせる深いテーマ性が、この作品の魅力となっています。
その他：この作品は、マグリットの「だまし絵」と「哲学性」が融合した代表的な作品と言えます。
宮崎県立美術館にも所蔵されています。
この解説が、視覚障がいをお持ちの方にとって、作品を鑑賞する一助となれば幸いです。
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