56位 エル・グレコ「オルガス伯の埋葬」
エル・グレコ『オルガス伯の埋葬』
天に召される様子を上下に分かれた構図で描く
- 絵画の題名 オルガス伯の埋葬
- 絵画の作者 エル・グレコ（ギリシャ）
- 美術様式 マニエリスム
- 絵画の制作年 1586年?1588年
- 絵画の画材 油彩、カンヴァス
- 絵画の寸法 460cm × 360cm
- 絵画の所蔵 サント・トメ教会（スペイン、トレド）
画家の出身地トレドの篤志家オルガス伯が天に召される様子を、トレドの教会の礼拝堂に描いたのが本作品。
オルガス伯が埋葬されるときに、天から2人に成人が降りてきたという故事に基づく。
絵画の上半分は天上界で、上部にキリスト、その下に聖母マリアと召されるオルガス伯が描かれている。
下部は地上の様子で、オルガス伯の埋葬の様子が描かれている。
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作品の説明
エル・グレコの傑作「オルガス伯の埋葬」ですね。
視覚障がいをお持ちの方にも、この絵画の素晴らしさが伝わるよう、できる限り詳細に解説します。
作品の概要
「オルガス伯の埋葬」は、スペインの画家エル・グレコが1586年から1588年にかけて制作した油彩画です。
トレドのサント・トメ教会に所蔵されており、エル・グレコの代表作として知られています。
構図:
画面は上下2つの部分に分かれています。下半分は地上の世界、上半分は天上の世界を表しています。
中央には、オルガス伯の遺体が横たえられており、聖ステファノと聖アウグスティヌスによって埋葬される場面が描かれています。
周囲には、葬儀に参列する人々が描かれており、上半分には、聖人や天使たちが描かれています。
天上の頂点にいるキリスト、聖母マリア、洗礼者ヨハネが三角形の構図をなしています。
表情・ヘアスタイル・視線:
オルガス伯の顔は、穏やかで安らかな表情をしています。
聖人たちは、荘厳で慈悲深い表情をしています。
参列者たちは、悲しみや敬意を表す表情をしています。
参列している人々は、当時のトレドの貴族たちの服装や髪型をしています。
聖人や天使たちは、伝統的な宗教画の表現に沿った姿で描かれています。
色彩:
全体的に、金色や青色などの鮮やかな色彩が用いられています。
オルガス伯の鎧は、光沢のある銀色で描かれています。
聖人たちの衣服は、赤や緑などの豊かな色彩で描かれています。
天使たちの衣装は、光輝くような白や金色で描かれています。
地上部分と天上部分で色彩の明暗がはっきりと分けられており、天上部分が明るく、地上部分が暗い。
時代背景
この絵画は、16世紀後半のスペインで制作されました。
当時のスペインは、カトリック教会の影響力が強く、宗教画が盛んに制作されていました。
エル・グレコは、イタリアで絵画を学んだ後、スペインに移住し、独自の画風を確立しました。
作者の意図
エル・グレコは、この絵画を通して、オルガス伯の徳を称え、信仰の重要性を表現しようとしました。
また、地上の世界と天上の世界を結びつけることで、死後の救いを願う人々の気持ちを表しているとも考えられます。
作品の評価
「オルガス伯の埋葬」は、エル・グレコの最高傑作の一つとして高く評価されています。
その独特な構図や色彩、人物描写は、見る人を魅了し、深い感動を与えます。
補足情報：オルガス伯は、14世紀のトレドの貴族であり、サント・トメ教会に多額の寄進をしたことで知られています。
伝説によると、オルガス伯の葬儀の際、聖ステファノと聖アウグスティヌスが現れ、彼を埋葬したとされています。
絵の中に描かれている人物の中に、エル・グレコ自身や彼の息子が描かれていると言われています。
この解説が、視覚障がいをお持ちの方にとって、絵画鑑賞の一助となれば幸いです。
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