55位 モネ「印象-日の出」
モネ『印象-日の出』
印象派の由来となった印象派創始者の歴史的名画
- 絵画の題名 印象-日の出
- 絵画の作者 クロード・モネ（フランス）
- 美術様式 印象派
- 絵画の制作年 1872年
- 絵画の画材 油彩、カンヴァス
- 絵画の寸法 48cm × 63cm
- 絵画の所蔵 マルモッタン美術館（フランス、パリ）
『睡蓮』で知られるクロード・モネが「第1回印象派展」に出品し、「印象派」の名前の由来となった名画。
この『印象・日の出』は「描きかけの壁紙よりひどい」と酷評され、侮蔑の意味を込めて「印象派」と呼ばれた。
モネがイギリスでみたイギリス・ロマン主義のターナーの作品の影響を強く受けていることがわかる作品。
参考ページ「常識として知っておきたい世界の名画ランキング の記事一覧 知欲」
作品の概要
クロード・モネの「印象、日の出」ですね。
視覚障害をお持ちの方にも分かりやすいよう、詳しく解説します。
1. 構図
この絵は、モネの故郷であるフランスのル・アーヴル港の日の出の風景を描いたものです。
画面全体は、朝霧に包まれた港の様子が描かれており、水平線が画面のほぼ中央を横切っています。
水平線の下には、海面に浮かぶ複数の小さな船が描かれています。
船はシルエットで表現されており、詳細な形は分かりにくいですが、マストや帆が見えます。
水平線の上には、昇り始めた太陽が描かれています。
太陽は、オレンジ色で、周囲の霧に光を反射させています。
画面右側には、港の建造物やクレーンなどがシルエットで描かれており、港の賑わいを暗示しています。
2. 色彩
この絵の特徴は、光の表現に重点を置いた色彩にあります。
全体的に、灰色や青灰色などの寒色系の色彩が基調となっており、霧に包まれた港の雰囲気を表現しています。
日の出の太陽は、鮮やかなオレンジ色で描かれており、周囲の霧に光を反射させて、水面や空をオレンジ色に染めています。
船や港の建造物は、黒や濃い灰色で描かれており、シルエットとして浮かび上がっています。
色彩の重なりや光の反射が丁寧に描かれており、実際の風景を見ているかのように感じられます。
3. 時代背景
19世紀後半のフランスでは、写真技術の発達により、絵画は現実を正確に描写する役割から解放され始めました。
モネは、伝統的な絵画の技法にとらわれず、光や色彩の変化を追求し、独自の画風を確立しました。
この作品は、印象派と呼ばれる新しい美術運動の先駆けとなりました。
4. 作者の意図
モネは、この絵で、ル・アーヴル港の日の出の「印象」を描き出そうとしました。
彼は、光の変化や色彩の移り変わりを敏感に捉え、その瞬間をキャンバスに定着させようとしました。
モネは、目で見た通りの風景を描くのではなく、心で感じた印象を表現しようとしたのです。
5. 作品の評価
この作品は、1874年の第1回印象派展で発表されましたが、当時の批評家からは「未完成な絵」と酷評されました。
しかし、その後、この作品は、印象派を代表する作品として高く評価されるようになり、美術史に残る傑作となりました。
「印象、日の出」というタイトルは、批評家がモネの絵を批判的に評した「印象」という言葉に由来しています。
しかし、この言葉は後に印象派という名称として定着し、美術史に大きな影響を与えました。
視覚障害をお持ちの方への鑑賞のヒント
この絵は、光と色彩の変化が重要な要素となっています。
音声ガイドや解説などを利用して、作品の背景や作者の意図などを理解することで、より深く鑑賞できるでしょう。
絵の質感を感じ取るために、複製画に触れてみるのも良いでしょう。
この作品から感じたことを言葉で表現したり、他の人と共有したりすることで、鑑賞体験をより豊かなものにできるでしょう。
この解説が、あなたの作品理解の一助となれば幸いです。
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