50位 ルノワール「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢」 ピエール＝オーギュスト・ルノワール『イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢』 数奇な運命をたどった最も美しい肖像画
- 絵画の題名 イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢（可愛いイレーヌ）
- 絵画の作者 ピエール＝オーギュスト・ルノワール（フランス）
- 美術様式 印象派
- 絵画の制作年 1880年
- 絵画の画材 油彩、カンヴァス
- 絵画の寸法 65cm × 54cm
- 絵画の所蔵 ビュールレ・コレクション（スイス、チューリッヒ）
最も美しい印象派の肖像画として有名で、ルノワールの持ち味でもある楽しそうで幸せそうになる肖像画の頂点。 顔だけは印象派ではなく従来の技法で描かれている。 幸せそうな絵画が得意なルノワールは当時上流階級の人々の肖像画を多く描いたが、本作もそのうちの1枚で当時8歳のイレーヌ嬢を描いた。 第二次世界大戦時にナチス・ドイツに略奪されるが、戦後74歳になっていたイレーヌ本人に返還された。 後に競売に出され、ナチス・ドイツに武器を売っていた元武器商人のビュールレが入手した。 イレーヌの娘も孫もアウシュビッツでナチス・ドイツに殺害されている。 ちなみにビュールレが収集した美術品の数々は、ビュールレ死後は財団として設立された私設美術館ビュールレ・コレクションにて公開されていたが、2015年に閉館。 2021年10月からはチューリッヒ美術館に新設される別館にて展示される。
参考ページ「常識として知っておきたい世界の名画ランキング の記事一覧 知欲」
作品の概要
★ルノワール「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢」を視覚障碍者の方へ解説
ルノワールが描いた「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢」は、とても美しい女の子の肖像画です。
まるで絵の中からこちらを見ているような、優しい瞳をした8歳の少女が描かれています。
構図：絵の中の物語
絵の中央には、イレーヌちゃんが座っています。緑いっぱいの庭で、少し斜め後ろを向いて、こちらを見ているようなポーズです。
顔: ふっくらとした頬に、少し赤みが差しています。大きな瞳は、少し憂いを帯びたような優しい表情をしています。
髪: 栗色の髪は、肩まで長く、自然なカールがかかっています。光が当たって、髪の毛の1本1本が輝いているように見えます。
服: 白いドレスを着ています。レースがあしらわれていて、とても上品です。
背景: 緑豊かな庭です。木々や花が沢山咲いていて、夏の明るい雰囲気が感じられます。
色彩：光のハーモニー
この絵は、パステル調の柔らかい色合いで描かれています。
肌: 陶器のように白く、ほんのりピンク色がかかっています。まるで赤ちゃんのような、なめらかで柔らかい肌です。
髪: 栗色の髪は、光が当たってキラキラと輝いています。
服: 白いドレスは、太陽の光を浴びて、明るく輝いています。
背景: 緑色の葉っぱや、様々な色の花が、絵全体を明るく華やかに彩っています。
時代背景と作者の意図
この絵が描かれたのは、19世紀後半のフランスです。ルノワールは、印象派と呼ばれる画家の代表的な一人です。
印象派の画家たちは、光や影を細かく表現し、自然な状態の光を捉えようとしました。
ルノワールは、この絵を通して、イレーヌちゃんの無邪気な笑顔や、子供の頃の美しい瞬間を表現したかったのかもしれません。
作品の評価
「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢」は、ルノワールの代表作の一つであり、世界中で愛されている作品です。
美しさ: 印象派の絵画の中でも、特に美しい肖像画の一つと言われています。
永遠の少女: 時が経っても色褪せることのない、永遠の少女の姿を描いています。
技術の高さ: 光の表現や、肌の質感など、ルノワールの高い技術力が感じられます。
まとめ
ルノワールの「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢」は、
緑豊かな庭で、こちらを見ているような優しい笑顔の少女を描いた、とても美しい作品です。
パステル調の柔らかい色使いと、光を捉えた繊細な描写が特徴です。この絵を見る人に、安らぎや幸福感を与えてくれるでしょう。
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