バベルの塔



ブリューゲル「バベルの塔」の紹介をします。




31位 ブリューゲル(父)「バベルの塔」 ビーテル・ブリューゲル『バベルの塔』 神に挑戦する傲慢な人間の姿を大迫力で描く

  •  絵画の題名 バベルの塔
  •  絵画の作者 ビーテル・ブリューゲル(オランダ)
  •  美術様式 後期フランドル絵画
  •  絵画の制作年 1563年頃
  •  絵画の画材 油彩、板
  •  絵画の寸法 114cm × 155cm
  •  絵画の所蔵 ウィーン美術史美術館(オーストリア、ウィーン)

『旧約聖書』の「創世記」にあるバベルの塔を描く。 手前の一行はバベルの塔建設を指揮するニムロデ王。 建築現場には無数の人々が描かれており、その大きさの対比によりバベルの塔の大きさを際立たせている。 「バベルの塔」は創世記に記述された物語で、神に挑戦するために天まで届く塔を建設した人々に対し神は怒り、塔を崩壊させさらに人々の言語をバラバラに分けたとされる。 世界中で様々な言語が話されている理由を説明する物語ともなっている。 作者は奇想の画家ヒエロニムス・ボスを受け付いだブリューゲル。長男も画家で同名なため、「ブリューゲル(父)」と表記されることが多い。

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  • 作品の概要

    ★ブリューゲル(父)ことピーテル・ブリューゲル(Pieter Bruegel the Elder)の代表作「バベルの塔」は、
    旧約聖書の「創世記」に登場するバベルの塔の物語を題材にした作品で、1563年に描かれました。
    この絵画は宗教的な寓意、細部へのこだわり、そして壮大な構図で知られています。以下に詳しく解説します。

    構図

    「バベルの塔」は大きな塔を中心に据えた構図で、下記のように要素が配置されています。
    1. 中心部:巨大な塔がそびえ立つ。この塔は円形の構造で、頂上に向かうにつれて細くなります。
    建築途中のため、塔の各所に足場やクレーンのような建設設備が描かれています。
    塔の下層部分にはアーチ状の通路や柱があり、ローマのコロッセオを連想させます。
    建築作業をする無数の労働者が描かれており、塔の規模がいかに大きいかを強調しています。
    2. 下方(地上部分):左下には王がいる場面が描かれています。
    王は建築の監督者であり、王冠をかぶり、豪華な衣装を着ています。彼の周囲には護衛や従者がいます。
    農村や都市が広がり、多くの人々が日常生活を送る様子が見られます。
    3. 背景:遠景には広大な景色が広がり、川や山々が描かれています。
    空は曇りがちで、天気が悪化しつつある印象を与えています。

    色彩

    ブリューゲルの色彩表現は細部まで豊かです。
    1. 塔: 石造りの塔は茶色や灰色が基調で、使用されている石材が異なる場所では微妙な色の変化があります。
    塔の一部はまだ建設中のため、土の色や木材の色(茶色)が見えます。
    2. 地上部分: 労働者たちの服は、赤や青、黄といった原色に近い色彩が多く、絵全体の活気を引き立てています。
    王の衣装は鮮やかな赤や金色が使われ、権威を象徴しています。
    3. 背景と空: 遠景の川や山々は青緑色で描かれ、自然の広がりを感じさせます。
    空は灰色がかった青で、曇天の雰囲気を表現しています。

    登場人物の表情・視線・服装

    王:高貴な衣装を身にまとい、堂々とした姿で塔を指さしています。彼の表情は誇らしげであり、自らの権威を示しているようです。
    労働者:それぞれ異なる動作をしており、働く様子が非常にリアルに描かれています。疲労感や集中している表情が細かく描写されています。
    民衆:塔の建設を眺める者、遠くから歩いてくる者など、さまざまな行動を取っています。

    時代背景

    この作品が描かれた16世紀は、ヨーロッパにおいて宗教改革やルネサンスが進行していた時代です。 宗教的なテーマが重要視されていた一方、技術革新や科学への関心が高まる時期でもありました。 「バベルの塔」の物語は、神の命令に逆らった人間たちが天に届く塔を建設しようとした結果、 神の怒りを買い、言葉を混乱させられたというものです。 ブリューゲルはこの物語を通じて、人間の傲慢さや限界を示唆しています。

    作者の意図

    ブリューゲルは「バベルの塔」を通じて、以下のようなメッセージを伝えたと考えられます。
    1. 人間の愚かさと限界: 巨大な塔の建設は人間の野心を象徴していますが、その野心がもたらす混乱や失敗も暗示されています。
    2. 宗教的寓意: 聖書の物語を視覚化することで、神の力や人間の無力さを表現しています。
    3. 細密描写への挑戦: 無数の労働者や建築物の詳細な描写は、彼の技術と観察力を示しています。

    作品の評価

    「バベルの塔」は、ブリューゲルの技巧が凝縮された名作とされており、彼の他の風景画や宗教画と同様に、高く評価されています。 この作品は、スケールの大きさや細部への徹底したこだわり、寓意的なテーマが融合している点でルネサンス後期の傑作とみなされています。 また、人間の営みを風刺しつつ描くブリューゲル独自の視点がよく現れています。

    現在、この作品はウィーンの美術史美術館に収蔵されており、多くの観光客や研究者を魅了しています。 presented by chat gpt