★16位 ボッティチェリ「春 プリマヴェーラ」。
春を賛美するギリシャ神話の神々を描いた「春の寓意」。
- 絵画の題名 春 プリマヴェーラ(春の寓意)。
- 絵画の作者 サンドロ・ボッティチェリ(イタリア)。
- 美術様式 盛期ルネサンス。
- 絵画の制作年 1482年頃。
- 絵画の画材 テンペラ、板。
- 絵画の寸法 205 cm × 315 cm 。
- 絵画の所蔵 ウフィツィ美術館蔵(イタリア、フィレンツェ)。
「ヴィーナスの誕生」で有名なボッティチェリのもうひとつの代表作。
春の訪れを擬人的(擬神的?)に、豊穣と愛の象徴として、春の森に集う神々を描いたとされる。
中心の女性は美の女神ヴィーナスで、鑑賞者と目が合う。
その上にはヴィーナスの子クピド(キューピッド)が描かれるが、目隠しをしており盲目な恋も寓意している。
右の青い人物は西風の神ゼピュロス(ゼファー)(西風(そよ風)=Zephyr(ゼファー)の語源となった)。
樹木の精霊でありニンフでもあるクローリスを呼び起こす。
クローリスの口からは花々があふれ、クローリスが花の女神フローラへと姿を変えた結果が右から3番目の女性。
一番左の男性は伝令や旅人の守護神マーキュリー(メルクリウス、ヘルメス)。
手に杖を持ち、上空の雲からオレンジ園を守っている。
その右横の3人の女性は、美の女神・貞潔の女神・愛の女神の3美神である。
画中に約40種の花が描かれた春を賛美する作品。
世界で最も有名な絵画作品であり、最も議論の的となっている作品のひとつでもある。
参考ページ「常識として知っておきたい世界の名画ランキング の記事一覧 知欲」
作品の概要
サンドロ・ボッティチェリの名作「春(プリマヴェーラ)」は、15世紀後半のイタリア・ルネサンスを代表する絵画のひとつです。
この作品は視覚障碍者の方に向けて、できるだけわかりやすく詳細に説明します。
全体の構図
「プリマヴェーラ」は幅約3メートル、高さ約2メートルの大きなテンペラ画で、優雅な庭園を背景に9人の人物が左右に広がりながら描かれています。
作品の主題は「春」で、神話や寓意的な要素を組み合わせ、自然の生命力や愛、豊穣を表現しています。
1. 中央に立つ女性:絵の中央にはヴィーナス(愛の女神)が立っています。
彼女は平和を象徴し、見る者を包み込むような手の動きをしています。
ヴィーナスの背後には緑の木々がアーチ状に広がり、まるで神聖な空間を形成しているかのようです。
2. 右側(春の到来):右端には、風の神ゼフィロスが、花の女神クロリスを追いかけています。
クロリスはゼフィロスとの関係で春の豊穣を象徴する存在へと変わります。
クロリスの隣にはフローラ(春の女神)が立ち、花を撒き散らしながら歩いています。
彼女の衣装には無数の花々が描かれています。
3. 左側(愛と美):左端にはメルクリウス(神々の使者)が、剣を手にしながら木々を指差しています。
その近くでは、3人のグラーチェ(美の三女神)が手を繋いで踊り、愛と調和を表現しています。
4. 背景:背景には濃い緑色の木々があり、その中に赤や白の花が咲き乱れています。
地面にも草花が生い茂り、春の豊かさが感じられます。
色彩と雰囲気
色彩は全体的に柔らかく、落ち着いたトーンでまとめられています。
緑色: 草木や背景に豊富に使用され、自然の生き生きとした生命力を象徴。
白色と淡いピンク: 花や衣装に使われ、春の軽やかさを表現。
金色とクリーム色: ヴィーナスやフローラの衣装に見られ、神聖さや優雅さを強調。
絵の中心から両側に広がる構図は、静けさと動きの両方を兼ね備え、視覚的にも調和が取れています。
触覚的な説明(形と動きのイメージ)
ヴィーナス: 柔らかい曲線のポーズ。
ゆっくりと広げた腕は「受け入れる」動きを象徴。
ゼフィロスとクロリス: ゼフィロスの身体は前のめりで動きを強調し、クロリスの姿勢は後ろに引きながら変化の過程を表現。
グラーチェ: 手を繋ぎながら互いに向き合い、スムーズな回転運動を感じさせる。
このような詳細な構成と色彩の選択は、ボッティチェリの技巧の高さを示しており、ルネサンス時代の思想や美学を伝えています。
この作品は「春」という季節そのものの詩的な表現といえます。
by チャットgpt