真珠の耳飾りの少女

★8位 フェルメール「真珠の耳飾りの少女」。
光の魔術師フェルメールの代表作にして謎めいた「北方のモナ・リザ」。

• 絵画の題名 真珠の耳飾りの少女。
• 絵画の作者 ヨハネス・フェルメール（オランダ）。
• 美術様式 オランダ・バロック。
• 絵画の制作年 1665年頃。
• 絵画の画材 油彩、カンヴァス。
• 絵画の寸法 44.5 cm × 39 cm 。
• 絵画の所蔵 マウリッツハイス美術館（ハーグ、オランダ）。

異国風の少女が振り向いた瞬間を捉えた肖像画。
オランダ・デルフトで生涯を過ごし、43歳で亡くなった画家フェルメールの代表作。
ターバンの青は「フェルメール・ブルー」とも呼ばれるフェルメールの代名詞のような青。
この青は非常に高価なウルトラマリンで、ラピスラズリを原料としている。
黒い背景に光で対象を浮き立たせるバロック絵画の特徴が少女を引き立たせる。
潤んだ大きな瞳と少し開いた口元、異国のターバンを巻いた少女が誰なのかわかっておらず、 「北方のモナ・リザ」とも呼ばれるフェルメール絵画で最も人気の作品。

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作品の概要

フェルメール「真珠の耳飾りの少女」は、17世紀のオランダの画家ヨハネス・フェルメールの代表作で、 「北方のモナ・リザ」とも呼ばれる傑作です。
この作品を視覚障害者の方に向けて詳しく説明するため、構図や色彩についてわかりやすく描写します。

作品全体の概要

この絵は、1人の少女が描かれた肖像画です。
背景は漆黒で、特定の場所や物が描かれておらず、少女そのものが際立っています。
少女は鑑賞者を真っ直ぐ見つめ、口を少し開けた表情で、今まさに話しかけようとしているような雰囲気を持っています。

構図

1. 少女の姿勢：少女は肩をやや斜めに向け、顔を振り返るようにしてこちらを見ています。
このポーズは「三角構図」と呼ばれる、安定感と自然さを与える構成になっています。
2. 目線：少女の視線は正面を向き、見る者と目が合うように描かれています。
この目線が観る者を引き込み、親密な感覚を与えます。
3. 衣装とアクセサリー：頭にはトルバン（ターバン）を巻いており、特に青い布が印象的です。
耳には光を反射する大きな真珠の耳飾りをつけています。
この耳飾りが画面全体の焦点となり、タイトルにも反映されています。

色彩

1. 背景 ：漆黒の背景は一切の模様や奥行きを感じさせず、少女を際立たせています。
この暗い背景が、衣装や肌の明るい色を引き立てています。
2. ターバンの色 ：頭のターバンは鮮やかな青色と黄色が特徴です。
青色はラピスラズリから作られた非常に高価な顔料「ウルトラマリン」を使用しており、高貴さや神秘的な印象を与えます。
黄色の部分が青を補完し、全体に調和をもたらしています。
3. 少女の顔と肌 ：肌は滑らかで柔らかな色合いで描かれています。
頬や唇にはうっすらと赤みが差し、生命感があります。
4. 耳飾り ：真珠の耳飾りは白に近い色ですが、表面の光沢や光の反射が巧みに描かれており、立体感があります。
この耳飾りは、暗い背景と対照的で目を引きます。

光と影

フェルメールは光の描写に長けており、少女の顔や衣装には柔らかな光が当たっています。
この光が、滑らかな肌の質感や、ターバンの布地の立体感、真珠の輝きを際立たせています。
影の部分も微妙にグラデーションがかかり、立体的で現実感のある表現がされています。

感覚的な表現

この作品は、目に見える形だけでなく、感覚的にも訴えかけます。
漆黒の背景は静寂を感じさせ、少女の表情は内面的な問いかけや親しみを想起させます。
耳飾りの輝きやターバンの鮮やかさが、画面全体にバランスを与えつつ、観る者の心をつかむ仕掛けとなっています。
このように、「真珠の耳飾りの少女」は、そのシンプルな構図と美しい色彩、そして絶妙な光と影の効果によって、観る者に深い印象を与える名画です。