★6位 ドラクロワ「民衆を導く自由の女神」
フランスの七月革命を描くロマン主義絵画として最も有名な絵画
- 絵画の題名 民衆を導く自由の女神
- 絵画の作者 ウジェーヌ・ドラクロワ(フランス)
- 美術様式 フランス・ロマン主義
- 絵画の制作年 1830年頃
- 絵画の画材 油彩、カンヴァス
- 絵画の寸法 260 cm × 325 cm
- 絵画の所蔵 ルーヴル美術館蔵(フランス、パリ)
フランス7月革命を描いた、フランスロマン派の代表作。
銃剣を持ちフランスの三色旗を掲げる女性は、フランス共和国を象徴するマリアンヌ。
実在した特定の人物ではなく、フランス共和国を擬人化した存在であり、自由の女神として知られる。
つまりこの女性は、ニューヨークの自由の女神の元になった人物であるともいえる。
フランス人が最も愛する絵画のひとつ。
女神に導かれるのは武装した民衆で、屍を踏み越えながら進みゆく。
7月革命は「レミゼラブル」でも描かれる市民革命であり、1815年に復古した王政の弾圧に対する市民革命のひとつ。
本作で自由の女神の右にいる少年は「レミゼラブル」のガヴローシュのモデルになったともいわれる。
ドラクロワははじめ新古典主義に学ぶが、ロマン主義へと転向し第一人者となる。
33歳のときにおきた七月革命において、ドラクロワは画中のような戦闘には参加しなかったが、銃の代わりに筆をとり本作「民衆を導く自由の女神」を描き上げた。
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作品の概要
ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」(原題:La Liberté guidant le peuple)は、1830年のフランス7月革命を題材とした作品で、自由、革命、そして団結の象徴とされています。
この絵画は視覚的な要素が豊富なので、視覚障碍者の方にも伝わりやすいよう、構図、色彩、そして重要なディテールを言葉で詳しく説明します。
1. 構図
この作品は、三角形の安定した構成を持っています。中央の「自由の女神」が最も高い位置に立ち、彼女を中心に周囲の人物や背景が配置されています。
以下が主な構成要素です:
中心人物(自由の女神)
自由を象徴する女性(「マリアンヌ」と呼ばれる)が裸足で瓦礫の上に立っています。
彼女の右手にはフランス国旗(青、白、赤)が掲げられ、左手には銃(マスケット銃)が握られています。
彼女の衣装は薄い布で胸が露わになっており、古代ギリシャの自由の女神像を思わせるデザインです。
その他の登場人物
女神の右側(絵画の左側)には、腕にピストルを持つ市民階級の男性がいます。帽子を被り、決意の表情を浮かべています。
左側(絵画の右側)には、農民の少年が登場し、帽子を被りながら銃剣を握りしめています。彼のポーズは大胆で、次世代の希望を象徴しています。
手前には倒れた兵士や市民の死体が描かれ、革命の犠牲を示しています。
背景
パリ市街地の遠景が薄く描かれており、煙や混乱の中で革命の激しさを感じさせます。
背景の右上には、ノートルダム大聖堂が薄く見えます。
2. 色彩
主な色調:この作品は力強いコントラストが特徴で、赤、青、白が中心的な色として使われています(フランス国旗の色)。
背景の色調は灰色や茶色が多く、戦いの混乱や煙を表現しています。
明暗の対比:女神は最も明るい光を浴びており、背景の暗い色と対照的に浮き上がっています。この明暗のコントラストが、彼女の英雄的な姿を強調しています。
血の赤:赤い旗や血の色が作品全体に散りばめられ、革命の暴力性と犠牲を象徴しています。
3. ディテールと象徴
自由の女神:フランスの自由、平等、博愛の理想を体現した存在です。裸足で歩いている姿は、彼女が地上の全ての人々と共にいることを示しています。
フランス国旗:国旗は絵の中で特に目立つ要素で、女神が導く「新しいフランス」を象徴します。
瓦礫と死体:戦争の破壊や犠牲を象徴し、革命の現実的な側面を描いています。
銃と武器:武器を持つ市民たちは、抑圧に立ち向かう民衆の力を表しています。
絵画全体の印象
この絵画は、動きとエネルギーに満ちており、視覚的にドラマチックな構成です。
女神のポーズや旗のなびきが、希望や進歩の方向性を示唆しつつ、戦いの緊張感を生々しく伝えています。
ロマン主義とは
18世紀末から19世紀前半にかけてヨーロッパ全体で流行したロマン主義とは、
同時代の現実を画家の内面を通して描き、理性よりも感情、普遍性よりも民族性を重視した絵画様式です。
by チャットgpt