★3位 ミレー「落穂拾い」。 額に汗して働く農民の尊さを描き続けた農民画家ミレーの最高傑作。
- 絵画の題名 落穂拾い
- 絵画の作者 ジャン=フランソワ・ミレー(フランス)
- 美術様式 写実主義(バルビゾン派)
- 絵画の制作年 1857年
- 絵画の画材 油彩
- 絵画の寸法 83.5 cm × 111 cm
- 絵画の所蔵 オルセー美術館(フランス、パリ)
「バルビゾン派」の代表的な作品であり、ミレーの代表作でもある。 当時の農村の風景を描いた作品でありながら、旧約聖書のルツ記にも基づいている。 旧約聖書のレビ記に記された慣行のとおり、刈り入れが終わった後に残った「落ち穂」は、農民が自分の財産とすることが出来た。 貧しい農民が領主や地主のために働いたあと、自分たちの命を繋ぐために落ち穂を拾い集めるところを描いた作品であり、 背景に描かれるのは地主であろう馬に乗った人物と高く積まれた麦。「貧困」や「格差」に焦点を当てた作品でもある。 ミレーのほかの代表作として、「晩鐘」「種蒔く人」などがある。
参考ページ「常識として知っておきたい世界の名画ランキングの記事一覧 知欲」
作品の概要
ジャン=フランソワ・ミレーの「落穂拾い」(1857年)は、19世紀フランスの農民生活を描いた有名な作品です。 この作品を視覚障碍者の方に分かりやすく説明するために、構図、登場人物、色彩、そして絵が伝える感情やテーマを言葉で表現します。
構図の説明
全体的なレイアウト:絵は横長で、農村の広々とした麦畑が背景に広がっています。中央には小さな山のような収穫された麦の束が積み上げられており、その奥に農民たちと農村の風景が見えます。 手前には3人の女性が前かがみになりながら、落ちた麦を拾っています。これらの人物が絵の主役です。
人物の配置:左側に1人目、中央に2人目、右側に3人目の女性がいます。彼女たちは全員、地面に落ちた麦を拾うために体を大きく曲げています。 彼女たちの姿勢や衣服の細部が、労働の重さや生活の厳しさを強調しています。
遠景:背景には、大きな荷車や馬、その他の労働者が収穫作業を続けている様子が小さく描かれています。 奥には平らな地平線が広がり、空と大地の境目が遠くにぼんやりと見えます。
色使い
この絵は全体的に淡い暖色系のトーンで構成されています。 空は淡い青と黄色が混ざり、夕暮れのような柔らかな光が感じられます。 大地や麦の色は黄褐色や茶色が中心で、乾いた土地の質感が表現されています。 人物の衣服は暗い青や茶色、くすんだピンクといった落ち着いた色調です。これにより、彼女たちが絵全体に溶け込んでいます。 ミレーは光と影を柔らかく使い、労働の厳しさと農村の自然の美しさを同時に伝えています。
絵のテーマと感情
テーマ:「落穂拾い」は、19世紀フランスの農民の貧しさと、 収穫が終わった後の麦畑からわずかな穀物を拾い集める彼らの生活を描いています。 絵の中の女性たちの慎ましい姿は、労働の尊さとその背後にある社会的な不平等を表しています。
感情:女性たちの無言の働きぶりには、疲労感や厳しい生活の現実が感じられる一方で、 静かで安らかな雰囲気もあります。 背景の広がる自然や柔らかな色彩は、絵全体に調和と希望のようなニュアンスを与えています。
特に重要な要素
手前の3人の女性が作品の焦点であり、彼女たちの衣服や身体の動きに注目すると、彼女たちの苦労が視覚的に伝わります。 遠景の農村の風景は、労働の全体的な規模感を提供し、視線を手前から背景へと自然に誘導します。 自然な光の表現が、絵全体に調和をもたらし、日常の風景の中にある美を強調しています。
★バルビゾン派とは1830年から1870年頃にフランスで発生した絵画の一派。
フランスのバルビゾン村やその周辺で活動をおこなったためこう呼ばれる。
ひとことで言うと「自然主義」である。
アトリエにこもって神話や聖書の場面を描くのではなく、自然に出て森や田園風景のほか、農民の生活などの風俗画を描いた。
有名な画家としては、ミレーのほかコロー、テオドール・ルソーなどがいる。
by チャットgpt